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修理録(19)


ときどき「『金継ぎ』はなんて読むんですか?」と聞かれます。なじみがないと迷いますね。これは「きんつぎ」と読みます。「かなつぎ」「かねつぎ」と読まれてしまうこともありますが・・・。うーん、訂正したほうがいいんでしょうか。「まちがいではない?」と思って、いつもつっこめません。

「金継ぎ」と名のつく修理方法なだけあって、仕上げの色はやはり金が人気です。が、品物によっては金より銀や漆で仕上げたほうがしっくりくる場合もあります。(仕上げに使う素材にしたがって「銀継ぎ」や「漆継ぎ」と呼ばれます)

写真の例も、一歩控えた銀仕上げが急須のやさしい色合いによくなじみました。

確かに、金以外の直しは考えられない!という器もあるのですが、侘び寂びの風情ある直しもおすすめしていきたいです。「とにかく金」という先入観を取り払うと、思いがけずよい表情を引き出せたりします。

修理前。

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