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金継ぎとは
金継ぎ(きんつぎ)は、漆と金を使った器の修理技法です。
空気中の水分に触れることで硬化・耐水化する漆の特性を生かし、器の欠けや割れ、ヒビを繕います。
お気に入りの器は、当然壊れずにあることが一番ですが、 漆で継いだものにはまた新たな表情が生まれます。
壊れたからもうおしまい、ではなく、 欠けを補い、割れを継ぐことで、
再び日々の暮らしの中で 使うことができます。
縄文時代から接着剤として使われてきた漆ですが、 最近の瞬間接着剤のように早くは乾きません。
漆は一定の湿度と温度の中で、ゆっくりと固まっていきます。(実際は乾くのではなく、固まるのです)
修理が完了するまでに、短いもので1ヶ月、長いもので4ヶ月ほどの時間が必要です。
修理の工程 <欠けの場合>
縁に大きな欠けができています。
このように大きい欠けの場合は、
漆と砥粉(とのこ)を混ぜた「錆漆(さびうるし)」という
パテ状のものを詰め、補修していきます。
修理完了までに、1ヶ月〜2ヶ月ほどかかります。
錆漆を詰めたところ。
3週間から1ヶ月ほどかけてしっかりと乾かしていきます。
錆漆が乾いたら、やすりがけをして平らにならします。
その後、呂色漆を塗り、さらにやすりで研ぐ
工程を繰り返していきます。
この工程を繰り返すことで、漆の強さが増していきます。
最後に弁柄漆を塗り、
漆が乾ききる前に金や銀の粉を蒔(ま)いて仕上げます。
修理完了。
金継ぎをすると、器に新しい表情が生まれます。
修理に時間はかかりますが、
ゆっくりと漆を固め強くすることで、
丈夫に直すことができます。
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