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修理録(2)
お預かりしていたカップのお直しが終わり、お返ししてきました。
今回は金の丸粉仕上げ。丸粉は消粉よりも金属らしい光沢が引き出せます。消粉は仕上げの際蒔きっぱなしになりますが、丸粉は薄めた漆で固めた後、軽く研ぎ、磨いて光沢を出します。
消粉のマットな質感も魅力的なのですが、使用するにつれて磨耗していくのが欠点。丸粉なら、その心配がありません。(でも消粉が削れてベンガラ漆の朱がのぞく姿も、なかなか渋いですよ)今回は喫茶店で使われている品物だったので、丈夫さを優先しました。
丸粉の仕上げについては、伊良原 満美、中村 真著『ゼロからの金継ぎ入門: 器を蘇らせる、漆の繕い』でとてもわかりやすく解説されています。パテを使わない、漆を使ったお直しの方法がまとめられていますよ。「なぜこの工程が必要なのか」ということがしっかりと書かれているので、あらためてひとつひとつの作業への理解が深まりました。
金継ぎブームの波が起きてから、解説書が徐々に増えてきましたね。どれを読んでも美しく仕上げるためのヒントが書かれているので、勉強になります!
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デザインと金継ぎを両立させようとしてきたけれど、だんだん金継ぎのほうがおもしろくなってきてしまった… 今は金継ぎに集中してみよう。